奏でる場所~SecretMelody~


「なぁ、奏ー?こっちってなんかあったっけ?」




歩きながら陽輝が問いかける。




「さぁ…他のクラスに用事でもあったのかな…?」



教室をでて、右といえば…




3組と4組、それから5組があることしか知らない。





その先に何かあったか?




その時、向こうの方から何か、焦った顔をした女子たちがバタバタと走ってきた。



…ん?なにか、あったのか…?




しかも、走ってきたのは5組の向こう。




5組の奥って何かあったっけ?





「陽輝、5組の向こう知ってる…?」




「………。」




あれ、返事がない。




「陽輝…?」




振り向くと、陽輝が廊下にうずくまっていた。




え…?




「ゲホッ…ゴホゴホ…ゼェ…ハァハァハァ…」




発作!?




「ちょ、陽輝?…大丈夫…!?とりあえず、端にすわろ…?」




「ゲホッ…大丈夫。きょ…うは、きゅ…うにゅ…うき…持っ…てる。」





そういうと、ポケットから吸入器を取り出し、吸い始める。




「スー、ゲホゲホッ…ハー…」




何回も吸うと同時にだんだん咳も治まってきた。




「よかったぁ…」




「ごめ…んな…迷…惑、かけて。」




「奏は全然。もう、教室戻ろうか。宙もいずれ帰ってくるだろうし。」




「うん。ごめん…おかしい、な…こんな唐突に…発作が…出るなんて、最近…なかったのに…」




確かに…それもそうだな…



急に発作が出る姿を奏は見たこと無い。



前に倒れたっきり、何回か発作を起こしてるけど一回も病院に行ってる様子無いし…



陽輝、体大丈夫かな…?




そんなことを思いながら奏達は、陽輝の体を気遣い、途中で引き返し教室に戻った。