奏でる場所~SecretMelody~

その間、静かに見守っていた陽輝が一息おいた後、ゆっくり話しだす。



「とりあえず、身近には相談しといたほうが…」



「そうだな。特に拓斗には…」



拓斗の名前を出した瞬間、宙がまたもや顔色を変えた。



「やめてッ!!」



宙が大声をだし、立ち上がろうとする陽輝を止める。



「「え?」」



「やめて…。拓斗にはいわないで…。」




なんでだ?



彼氏に守ってもらうのが普通じゃないのか?



「何でや?原因は拓斗やねんから、守ってもらわなあかんやろ?」



「そうだぞ、宙。」



どうしてそんなに言いたくないんだ?



「……があるから。」



「え?なんて?」



「試合があるんだ、拓斗。高校入って初めて。それに、レギュラーなの。すごく頑張ってたんだよ。まだ1年なのに。“チームの役に立ちたい”って。1年でレギュラーに入れたの拓斗だけだから。だから、こんな時に余計な心配をかけたくない。」



宙…。



「でも…。」



「お願い。ハルくん。拓斗には…いわないでほしい。」



大粒の涙をポロポロ流しながらも、まっすぐ前を向いて、陽輝に訴える。



…ほんとうに、愛し合ってるんだな…



こんな2人には、入る隙なんて初めから無かったんだよ。



馬鹿だな、イジメをしている奴ら。



「…分かった。拓斗には黙っとく。ただし、試合が終わるまではな。」



「うん…。ありがとう、ハルくん。」



「その変わり、みっちゃんには言うで?頼りにならないと思うけど…。



その試合っていつなん?」



「今度の…土曜日。」



今度の土曜日…。



後、4日もある…



その間、これ以上ひどくならないといいけど…な…。