「眞希、終わった?」 「終わったよー」 「そっかー。じゃあパソコン室にもどろっかー」 「うん」 そういいながらテニスコートから出た。 それから他愛ない話をしていたときに、強風がぶわっと吹いた。 その強風のせいであたしの持っていたプリントがふわっとあたしの手から離れた。 「あっ……」 あたしはプリントを反射的に取ろうとしたけど、手は空を切っただけだった。 「ごめん、取ってくるから先行ってて」 「おっけー」