――夏休み明け。

まだ残暑が厳しい頃、あたしは羅那と一緒にテル先輩を校門前で待っていた。

もちろん告白をするために。

うまくいく可能性0%。

当たって砕けろ、を胸に待ち構えていた。

するとテル先輩と亮太くんと一緒に校門をくぐってくるのが見えた。

テル先輩の姿を見て、あたしの心臓は急速に動き出した。

テル先輩のところにいきたい…、けど…!!

「羅那っ…、やっぱ無理ぃぃい!!!!」

と、逃げ出すあたし。

やっぱり無理だってー。

こんなときでもチキンを発揮するあたし。

あたしはテル先輩たちとは逆方向に逃げようとしたけど、逃げないようにがしっとあたしの腕を掴んだ羅那。

痛いっす。羅那さん。

「手紙渡してぱぱっと戻ってくるだけ!!ただそれだけなのよ!!」

羅那があたしを説得している間に、テル先輩はどんどんと離れていく。

「~~!!」

あたしはいつのまにか駆けだしていた。