「秋... おい!起きろ!」


夢か現実かわからないけど、聞きなれた声が聞こえる。

誰かが私を起こそうとしてる。
そうか、今日も学校か。

その声はどんどん大きくなって、現実味を増していく。

ゆっくり目を開けると

「はぁ... やっと起きた」

とつぶやく、黒ぶち眼鏡をかけた幼馴染みがいた。

少しセットされた黒髪に、きくずした私と同じ高校の制服。
眼鏡の下の顔は100人いたら100人が「微妙」と答えるようなイケメンともブサイクともいえない顔。

このさえない男が
私の幼馴染みの山川 隼人(ヤマカワハヤト)
家は隣同士て、お互いを赤ちゃんの頃から知っている。
字も読めなかった子供の頃から高校2年生となった今までずっと一緒にいる。
一緒遊んで、勉強して、アルバムを見返しても隼人と写っていない写真はないくらいいつも一緒にいた。
もはや兄妹みたいなものだ。