「…というわけで明日は八百屋だ。」

鬱になって宿屋に戻って
イルルにそう言ったら嫌な顔をされた。

可愛い顔に作ってくれた両親に
申し訳ないとは思わないのか?

とつっこみたいくらいに
嫌な顔をされた。

親御さんの片方は同じ宿屋で
筋肉痛で呻いてるわけなんだけど。
なんか寝返り打つのも苦痛らしい。

「俺やだ。」

「イルル、そう言わずに!」

なんかリーヴェも説得をがんばっている。

「どうせリーヴェが早く運転してみたいから八百屋に無茶な交渉したんだろ?」

…そうなんだろうか?

「知らないけど絶対そう。」

リーヴェはニヤニヤしている。
いつもニヤニヤしてるから、どうなのかよくわからない。

「てゆか俺らは魔王を退治することしか頼まれてないからさ、勝手に変な依頼受けるなよ。」

聞く耳を持たないイルル。

「サーセンw」

え?
マジでリーヴェが勝手に受けたの?

「受けてない。」

じゃあ何故謝ったし。

「とりあえず謝ればイルルは気がすむから。」

「うん。」

意味がわからない。

気が重いけど
飛行車が早く手に入るなら悪くない。

イルルとリーヴェは
多分理解しようとしちゃいけない。

疲れるから。

きっと無駄に疲れるだけだから。

さっさと風呂入って寝よう…。