勇者34歳

「アッー!痛いけどキモチイイ!」

うわなんだこいつキモい。

「勇者さん、もっとしてぇぇえ!」

これは、
さすがにリーヴェもイルルも
ポカーンとしている。

俺も恐い。

「やべぇアニキが暴走した!」

「逃げるぞ!」

「うわあぁぁぁああぁぁあ!」

まさに
蜘蛛の子を散らすように逃げる、
下っ端の魔族たち。

羽がある奴は
飛んで逃げれて羨ましいな
とか現実逃避してみたが、
こいつが恐いという事実は変わらない。

俺だってこんな奴、恐いから
じりじりと後退する。

狭い鉱山の中だから
すぐに壁にぶち当たった。