勇者34歳

鉱山に入ると

色々な鉱物を採掘していた魔族が
わらわらと寄ってきた。


「あ〜、オマエら、とうとう勇者が来てもうた。引き上げるぞ。」

え?勇者?どこに?

しばらくざわざわする。

「こいつや、こいつ。」

魔族のボスが俺を示す。

うわ〜勇者っていうかヤクザじゃね?

「魔族は正直だな……。」

俺は魔族のボスの頭に
アイアンクローをした。

「痛い!痛いねん!」

「アニキをいじめるのはやめてくれ!」

下っ端たちの
悲痛とも言える叫びが鉱山内をこだまする。

「オマエ、アニキとか呼ばれてんの?」

リーヴェがニヤニヤしながら
魔族のボスにきく。
その間も俺のアイアンクローは弛まない。

「あぁ…。」

一応、肯定してるように見えるが
様子が変だ。

そして魔族のボスは
気が狂ったかのように叫び始めた。