しかしその魔族は
鉱山の入口とかじゃなくて
俺たちの目の前に突然現れたらしい。

俺が眠っている間に現れたので
俺は現れた瞬間を見ていないのだ。

「えぇい!おとなしくしろっ!」

俺はイルルの怒声で目が覚めた。

「ちょ、なんでワシ、捕まるん?」

魔族のボスは暴れているが
イルルにガッチリ首を捕まれいる。

「いやいやいや、何もしてないとか言わせないし。」

相変わらず、イルルとリーヴェは
どっちが悪者かわからないくらい
ガラが悪い。



リーヴェはハンカチのようなものを
魔族のボスの鼻先に当てる。

魔族のボスは突然倒れた。

「リーヴェ、それ何だ?」

「ハンカチ。」

「そうじゃなくてだな…、」

「麻痺ガス。」

イルルはどこからワイヤーを持ち出したのか、
手際よく魔族のボスを縛っていく。

なんか、マニアックな縛り方をしてるけど
魔族の動きを封じられればいいから
縛り方に関しては完全にスルーした。