「作戦が全然無いわけじゃない。」

いきなりリーヴェが話し始めた。

「こないだ来たとき、イルルが親玉っぽいのを人質にとったじゃん?」

勇者らしくは無いが、
確かにそんな逃げ方をした。

「その時、雑魚はかかってこなかった。」

雑魚がかかってきたら
イルルが親玉の首を斬っただけだと思う…。

「ぽこさんの言うとおりかもしれないが、かかってこなかったのは何故だろうか?」

「…そうか、雑魚どもにとっては、価値がある命なわけだ。」

命に価値があるとか無いとか
物騒な話だが
世の中は、事実として
そういうふうにできてるんだよな。

「で?あの美形魔族の命に価値があったとして、どう使う?」

「とりあえず一回は暴力を振るうことになるな。」

リーヴェ君が
さらっと悪いこと言ったよ…。