「なんだ…この魔力の濃度…。」

ラウザが嫌そうな顔でつぶやく。

レグナくんは、怪我は治っているものの、
ラウザと同様に嫌そうな顔をしている。

俺とJJは、よくわからなくて顔を見合わせた。

後ろにいるナターシャさんとリーヴェも
なんか嫌そうな顔をしている。

「昨日このへんに来たときは、ここまで魔力は濃くなかった。」

ラウザが説明してくれた。
魔法が使えない俺には
明確にはわからないことなのかもしれない。

「ここまでの濃度があるなら、情報収集はいらなかったかも…。」

ラウザは昨日
取り逃したという大物魔族を探すために
オカルト研究部に行ってたんだっけ。
俺たちは元の姿に戻るために
調べものとか、しただけだったけど。

…結論としては、絶大な魔力による、
何者かの仕業、なんだけど。

「俺たちをこんな姿にした真犯人はラウザの探し者と同じヤツって可能性が高いんだよな?」

俺はラウザに確認する。

「えーっと…。」

ラウザは珍しく歯切れの悪い言葉を返す。

これは、何かあるな?
俺のおでこのアザは、チリチリよりも強く、
チクチクと痛んでいる。