勇者34歳

あまりの眩しさに目が眩む。

「うぉおおわぁぁああぁ!」

イルルが、体格に似合わない野太い悲鳴をあげる。

「滅する術が完成するまでもたせてほしかったんだけど」

ラウザの声が聞こえる。

割と早く、視界が回復し、
俺はイルルの悲鳴の理由を知った。

同時に、ラウザの言葉の意味も知る。




そこにいたのは、
全裸になってしまった魔族だった。