勇者34歳

俺の不快そうな気分を感じ取ったのだろうか。

「わたくしがお知らせに上がりましたのは決して遅くはございませんよ。ここに魔族が紛れ込んでまだ2日ほどですから。」

光の主が弁解する。

2日が早いか遅いかというと、確かに早いほうかもしれない。

「ご存知だとは思いますが、現在の魔界は誰が魔王とは言えない状況です。」

確かにそんな話をドMの魔族から聞いた気がする。

「今ここに潜伏している魔族は間違いなく魔王候補なのです。倒していただけますね?」

えーっと…。
もしかして俺は、
終わりが見えない使命を割り振られたのだろうか?

そもそも上から目線すぎる頼み方が気に入らないってのもあるんだけど。

「今、唯一の前衛が縮んでるのでお断りしたいんですけど。なんとかしてくれたらがんばってもいいですけど。」

多分嫌な顔されるだろうけど、ダメ元で言ってみる。

予想通り、光の主は嫌な顔…というよりは困った顔をした。