資料に埋もれたイルルは
微かに顔を上げて、俺を見た。
「ぽこぽん、ここは多分俺たちだけで調査は進みそうだからナタ達の様子を見てきてくれないか?」
突然そんなことを言われたが
字を見る作業には疲れてきてたし。
「わかった。」
俺は小さな声でそう言って資料室を出た。
資料室の周りは静かで
俺が歩く音が不自然なくらい響く。
時折、靴が床に擦れて
ギュッ!と不快な音をたてるが
気にしないことにした。
廊下の門を曲がって
外へ出られる場所へ到着したときに
目の前に突然光が発生した。
唐突すぎて目が眩むが
敵襲かもしれないと思うと
ぼけっと突っ立ってるわけにもいかない。
後ろへ跳んだ。
「いい反応ですね。」
高くもなく、低くもなく
ただ聞いているだけで
耳が気持ちいい声が聞こえた。
少なくとも、その声に敵意はなかった。
俺は警戒しながら、後退する。
「警戒しないで…。」
「突然光を当てられて警戒するなと言われても普通無理ですよね。」
俺はそう言いながら視力の回復を待つ。
「失礼しました。わたくしが光っていたのですね。」
少し待つと明るさに目が慣れてきた。
光の主は徐々に光を抑えていく。
俺は改めて光の主を見た。
長い銀髪と赤に近い紫の眼。
皮膚は白いが、俺のような不健康な感じではない。
背中の羽が、光の主が天使であることを
…どんな言葉よりも説得力を持って…
物語っている。
「はじめまして、偉大なる勇者。わたくしは天界からの伝言役です。」
何の脈絡もない。
ていうか偉大なる勇者って何だ?
「はぁ…。で?」
「ただいまこちらに魔族が潜伏しているため、討伐依頼に来たのですが。」
今頃かよ。
声に出したつもりはなかったが、うっかり顔に出たらしい。
「偉大なる勇者は、既にご存知だったようですね。」
偉大なるっていうの、なんとかならないのかな…。
正直、バカにしてる?と聞きたいくらい。
微かに顔を上げて、俺を見た。
「ぽこぽん、ここは多分俺たちだけで調査は進みそうだからナタ達の様子を見てきてくれないか?」
突然そんなことを言われたが
字を見る作業には疲れてきてたし。
「わかった。」
俺は小さな声でそう言って資料室を出た。
資料室の周りは静かで
俺が歩く音が不自然なくらい響く。
時折、靴が床に擦れて
ギュッ!と不快な音をたてるが
気にしないことにした。
廊下の門を曲がって
外へ出られる場所へ到着したときに
目の前に突然光が発生した。
唐突すぎて目が眩むが
敵襲かもしれないと思うと
ぼけっと突っ立ってるわけにもいかない。
後ろへ跳んだ。
「いい反応ですね。」
高くもなく、低くもなく
ただ聞いているだけで
耳が気持ちいい声が聞こえた。
少なくとも、その声に敵意はなかった。
俺は警戒しながら、後退する。
「警戒しないで…。」
「突然光を当てられて警戒するなと言われても普通無理ですよね。」
俺はそう言いながら視力の回復を待つ。
「失礼しました。わたくしが光っていたのですね。」
少し待つと明るさに目が慣れてきた。
光の主は徐々に光を抑えていく。
俺は改めて光の主を見た。
長い銀髪と赤に近い紫の眼。
皮膚は白いが、俺のような不健康な感じではない。
背中の羽が、光の主が天使であることを
…どんな言葉よりも説得力を持って…
物語っている。
「はじめまして、偉大なる勇者。わたくしは天界からの伝言役です。」
何の脈絡もない。
ていうか偉大なる勇者って何だ?
「はぁ…。で?」
「ただいまこちらに魔族が潜伏しているため、討伐依頼に来たのですが。」
今頃かよ。
声に出したつもりはなかったが、うっかり顔に出たらしい。
「偉大なる勇者は、既にご存知だったようですね。」
偉大なるっていうの、なんとかならないのかな…。
正直、バカにしてる?と聞きたいくらい。

