俺が本と戦っている間に、
机には本の山ができていた。

イルルは行儀悪く机に座り、
リーヴェは普通に椅子に座って
本を読んでいる。

魔法は専門外だが
俺もなんとなくわかってきた。



『時』だの『時間』だの

俺からすると
何が何だかよくわからないものは
魔力を回復するために極稀に
盗まれることがあるらしい。

滅多に起こらないのは
それをできるだけの魔力の持ち主なんて
そのへんに転がっているわけがないから、だそうた。

「ラウザは当たりだったかもな…。」

で、犯人を倒さずに
『時』を取り戻す方法は
見つかっていないらしい。

…その理屈なら
魔力で解決できそうなものだがな。