授業が終わった後、
イルルに説教をするつもりだったが
あっという間に学生に囲まれてしまった。

イルルに近づくと逆に俺が目立ちそうだ。

仕方ないので教室を出る。

廊下を歩いていると
少し色っぽいお姉さんに話しかけられた。

「珍しい子ね?」

なんか目を合わせたくない。
蛇ににらまれたカエルって
こんな気分なんだろうか?
食われそう…。

「そんなに警戒されるのは心外よ?」

何の罠だ?
罠に決まってる…。

「理事長!」

職員らしき人の声か聞こえた。

「はぁい。」

蛇のようなお姉さんは返事をして
職員らしき人のほうを見た。

俺から視線が外れる。
その瞬間、わけがわからないプレッシャーから解放される。

俺は視線が外れた隙に脱走する。

なんだったんだあの人…。