せっかくJJが服を持ってきてくれたが
夕方になったので
潜入は翌日ということにした。

宿屋のベランダから道路を眺めると
色々な人が行き交っている。

「ふん、学生の分際で浮ついたやつらだ。」

どす黒い何かを含んだ声がしたので
音源を辿ると、イルルだった。

視線は男女ペアで歩いてる学生に固定されている。

俺の旅には多分実害無いし
ほっといてもいいや。

しかしどこからこんなに人が沸いて出たのか。
…学校しかないか?

学校がどれだけ広いのかを想像し
…方向音痴という俺の短所を合わせると

エクトプラズム込みのため息にしかならなかった。

そもそも30過ぎて
学校に行くことになるとは思ってなかった。

今さら学校とか行きたくない。

しかし真面目な話をすると
唯一のガチ前衛であるイルルの体が
子供のままでは不便…どころか
俺たちの目的を果たせるか否かにまで関わってくる。
それをイルルは自覚しているのだろうか?

イルルが俺と同い年だったら
こんな面倒なことしない。

むしろ積極的にスルーしたし。

ちまくなったイルルは
大人の時と全く変わらない顔で
延々と呪詛を吐き続けていた。

イルルの気持ちはよくわからないけど
楽しいのかなアレ。

いやいや
やりませんけどね?