俺は目を開けた。

えーっとここはどこだっけ?

そもそもなんで俺眠ってたんだ?

飛行車の中で眠っていたようだ。
何か問題とかあったような。

窓に映った自分のツラを見た。

自慢のヒゲがなかった。

「あー、そういえば若返ったんだっけ。」

体の年齢は19〜20歳。

どう見ても今の見た目のほうが
勇者っぽい。
勇者らしい。

「ていうかもうちょっとスムーズな旅はできないもんかな…。」

俺はため息をつきながら
飛行車を降りる。


「俺が誘拐されなきゃ今ごろとっくに光の精霊の神殿だろ多分。」

「すんだことは気にしない気にしない。」

イルルがぶちぶち言ってるのを
ナターシャさんがなだめている。

「マリスイーだ。」

町外れの駐車場は驚くほど
飛行車が溢れ返っている。

「よほど栄えた町みたいだな。」

「とりあえず町へ行こうか。はぐれないようにな。」

って言うと
だいたい誰かはぐれるんだよなぁ。



とか思ってたら15分後

イルルがはぐれてしまった。

ま た イ ル ル か 。

イルルは方向音痴ではないから
そのうち合流できるだろうけど
また誘拐されてたらシャレにならないし
今のイルルは誘拐しやすいサイズになっている。