勇者34歳

蛇足だが
レグナくんが目印にしたとおり
光の精霊のアザは
俺のおでこに浮かんだままだ。

「レグナくんは何か知ってるのか?」

ダメ元で聞いてみる。

「何も知りませんよ。とりあえす周りの様子を見るしかないのでは。」

レグナくんはそう言うと
空中から巡回するつもりなのか
ぱたぱたと飛んでいってしまった。

「俺達もあちこち見て回ったほうがいいのか?」

イルルが面倒そうな顔をしている。

「情報が集まる場所は酒場だけども、酒場に行けるのはぽこさんくらいかのぅ。」

謎の若返りによって
今の俺の体はだいたい19〜20歳になっている。

本当にそのくらいの外見かどうかは知らないけど。
顔の造りのせいで年相応に見られた覚えはないな…。

「道案内兼ねてリーヴェつれていく。」

ナターシャさんとイルルは
10代半ばなので
つれていかないほうが賢明か。

リーヴェは18歳くらいだから
酒場につれていってもおかしくはない。

…多分。