何が起こったんだ?



俺は昨日

何の問題もなく

何もトラブルなんてなく

トロンコロンの町に到着し

普通に宿屋に入って

武器屋とか道具屋とか行って

また宿屋に戻って

おとなしく眠ったはずた。

何も問題なんて無かった。

何も問題なんて無かった。

大事なことだから2回言った。



朝起きたら

自慢のヒゲが無くなっていた。



少しばかり、体も軽い。



「イルルめ…、俺が寝てる間にイタズラしたのか?!」

イルルの布団を覗きこむ。

いつもと変わらない猫のような寝顔だが
気のせいか、体が小さいような。



「おは、ぽこさんヒゲ剃った?」

リーヴェが起きたようだ。

髪の毛に混入している若白髪の比率が
昨日より減ったような。

「リーヴェ、髪、染めたか?」

リーヴェは少し驚いた顔をしたが
首を横に振った。



部屋の真ん中には昨夜遊んだ麻雀牌と雀卓。

イルルがあがった鬼のような手や
できかけの役満など
部屋の中が荒らされていない証拠を見せつけるかのように
寝る前の状態が保持されている。

タバコの吸殻も3人分
昨日と変わらず放置されている。

適当に消して吸殻を放り込んだ俺の灰皿、
意外に神経質に吸殻が綺麗に並んでいるイルルの灰皿、
細いタバコが乱雑に放置されているリーヴェの灰皿。

「おは。何これ?」

ナターシャさんも起きた。

少し筋肉が落ちている気がするけど
そう見えるだけだろうか?

「なんか、体に違和感が。あまり疲れが残ってないし…、変だのぅ…。」



3人揃って首をかしげる。