「別に馴れ合う必要もございませんし。」

レグナくんがツンツンしている。

「じゃ、オレはこれを届けたから。」

デルフさんがそう言って

無言で部屋に入って

イルルの頭をわしゃわしゃと撫でて

「じゃ。」

と言って去っていった。



「…サカヅキのきょうだいってあんな感じなのか?もうちょっとベタベタしてるのかと思ったけど。」

ヤクザの兄弟分みたいな
暑苦しいのを想像してたので、意外。

レグナくんがぽかーんとしている。

「実際に見るのは初めてじゃからのぅ。」

ナターシャさんは
嬉しそうな顔から平常心の顔に戻った。

「そろそろ休むかのぅ、この一角の部屋は割と自由に使ってよいからのぅ。1人1部屋じゃよ。」

ナターシャさんはそう言って

デルフさんがイルルの頭を撫でていた時間の2倍くらい

イルルの頭を撫でると

「おやすみのぅ。」

と言って
静かに出ていってしまった。



俺も寝るか、と部屋を出ようとしたら
既にリーヴェが看病疲れの人のように
イルルの掛け布団を枕にしてダウンしていた。

まさに戦闘不能。



リーヴェを動かすほうが面倒なので

結局、宿屋に泊まるみたいに
数人1部屋になってしまった。



広い部屋ひとりで使いたかったな…。