勇者34歳

「えと、どうも。」

女装されたオッサンに励まされても
ここは大人の余裕の見せどころ?

ていうか

これって大人でも
引いていいところだとは思うんだけど
励ましてもらったし、我慢?

「とりあえずこの道をまっすぐだぞ?まっすぐだからな?」

ついでに道も教えてもらって
やっと解放された。


「基本的に町と言うものは聖水が湧くところに自然発生する。だからだいたい町の真ん中にある。」

ついでに雑学のオマケつき。

元錬金術士だから知ってるけど。

魔物が特に嫌う水が聖水と呼ばれている。

だいたいどの町の中心にも教会があるのは
魔物が嫌う水が湧いているからだ。

「知ってるってツラだが、じゃあなんでこの町のハズレまで歩いてくるんだ…。」

えっ…、そんなに遠くまで歩いてきたっけ…?

「どうやら方向感覚がおかしいだけじゃなくて歩いた距離を測るスキルにも欠けているのかもな…。」

デルフさんに盛大にエクトプラズムを吐かれた。

とりあえずデルフさんのつっこみはスルーして
丁寧にお礼を言う。

そしてちょっとしょんぼりしながら
教えられた道を歩いていくことにした。