「腹減ったんだけど。」

4日ぶりに起きて言うことがそれかよ。

「あとなんか重い。脚のあたり。」

リーヴェが枕にして絶賛睡眠中。

「ちゃんと起きてくれて、よかったです。」

レグナくんが安心した顔をした。

「うぎゃ、ナタ、なんで俺をシメるんだ?!」

ナターシャさんが
イルルを抱き締めて
ぽろぽろと涙を流している。

「イルルは4日間も眠っていたんじゃよ。」

ナターシャさんがイルルに状況を説明する。

「そういえばレグナに矢を射たれたような。」

イルルがレグナくんをにらむ。
レグナくんは申し訳なさそうにうつむいてしまった。

「作戦上仕方なかった。」

レグナくんが何も言わないから
俺が代わりにイルルに答える。

「その作戦を立てたのは誰だ?」

イルル恐い。
これはガチで恐い。

「今、イルルさんの脚を枕にして寝てるヒトです。」

その後リーヴェが
パンチで起こされたのは
言うまでもなかった。

リーヴェは
イルルのパンチで起こされてから
作戦の妥当性を説明して
なんとかイルルに
理解してもらったようだ。

「俺が眠っていたのはまるまる4日か…。」

イルルはそう言ったあと
独りでつっこんだ。

「やっべ!ナタの誕生日が明日!」

「「「ナンダッテー?!」」」

俺とリーヴェとレグナくんの
絶叫が響き渡り
しばらく響いていた。