イルル救出後4日め。

レグナくんとナターシャさんは
ずっとイルルにつきっきりだったらしい。

ナターシャさんの
育ちが良さそうな顔と

レグナくんの美少年顔に

盛大な隈ができている。

リーヴェに至っては
イルルの布団に突っ伏して
盛大に寝落ちしていた。

俺は
イルルのことを
たいして心配してなかった。

矢が刺さった程度で死ぬようなら
イルルは子供時代を生き抜いてない。

イルルが大丈夫っていうのは
俺の感覚的な何かなので

今イルルにつきっきりのメンバーに
説明するのは難しい。



「心配なのはわかるけどさ、交代で休んだほうがいいんじゃ…?」

ナターシャさんとレグナくんの
恐い顔に圧倒されて
声が小さくなった。

「イルルさんが眠り込んでるの、僕のせいですから…。」

「あのときイルルを無事に助ける策を出せなかったボクの責任だし…。」

「いや、一番悪いのはあっさりと捕獲されたイルルじゃね?」

俺は
イルルが何故
凶悪犯たちに捕まってしまったのか
そっちのほうが不思議だ。

「あのときはリーヴェも一緒に出かけてたはずだからほんとに謎なんだよな。」

リーヴェは現在
惰眠を貪っているが
起こして

もう一回
状況を聞いても

いつの間にかいなくなっていた

としか言わない気がする。