「イルル…、生きてるみたいだのぅ。」

指揮をしていたときは
表情を見せなかった
ナターシャさんの顔が
安堵の表情に変わり
涙がぽろぽろと流れ始める。

ナターシャさんは

「がんばったね。イルル、ごめん。ごめんね…。」

そう言って
イルルの頭を撫でていた。

「……ナタ…何で泣いてんだ?」

小さな声だけどイルルの声がした。

「俺は生きてるぜ…。」

「イルルさん!生きてるんですね?!」

レグナくんがイルルに声をかけるが。

「すまん…ねみぃ…。また…あと…で。」

イルルが、息も切れ切れに言う。

その後

2日ほど待ったが
イルルは目を覚まさなかった。