「まずは左右に散ってL地点で山賊を囲む。攻撃されそうなら撃って構わない。」

リーヴェが指示を出す。

イルルを取り返したから
もうただの山賊討伐だ。

「ステルス兵、イルル・シュバルツバウムを確保。急所以外には矢が刺さっているそうです。」


「ご苦労、衛生兵に渡して。」

「ぽこさん、イルルのところへ行って。」

ナターシャさんが
行きたいんじゃないのか?

「ボクはお飾りでも指揮官だからここを離れられない。」

「わかったよ。」

俺の山賊討伐はこれで終わりだ。

イルルは生きていた。

イルルが応急処置をされる横で
座っていると
レグナくんが戻ってきた。

鏡みたいなものを抱えている。

「とりあえず、顛末は知っておくべきだと思って。遠くが見える道具みたいです。」

俺の視線に気づいたのか
レグナくんが説明する。