準備中。

リーヴェは
武器に小さなシールのようなものを
貼っていた。

俺はスナイパーライフルを
使いこなすまでの間に疲れていた。
この銃は重いのだ。

「何やってるんだリーヴェ?」

一応、リーヴェに聞いてみる。

「ぽこさん。」

なんだよ急に改まって。

「勝ち戦ってさ、作れるんだよね。」

何を言ってるんだコイツは…。

「戦で大事なのはなんだと思う?」

「情報じゃないのか?」

「おう。聞くまでもなかったな。だからオレはこれを貼っている。」

そのシールの意味がわからないわけなんだが。

「よく見てみたら?」

シールについているのは
シュバルツバウムの家紋。

「なんで、こんなものが…。」

「なんでと言われても、これ、イルルが開発したヤツだからさ。」

イルルはただのバカじゃないらしい。
それはわかってたんだけど。
これはただのシールにしか見えない。

「で、これを起動する。」

薄い板を取り出すリーヴェ。

「こっちはナタさん作。」

リーヴェが起動した板には
オレンジの点が映し出された。

「シールがある場所がオレンジの点な。」

俺は驚きすぎて声が出ない。

「プラティナム自治区の住民はちょっとオカシイくらいの技術がある。」

それは通信所でわかってたけどさ。

「飛行車は旧プラーティーン王国が開発したんだ。」

そうなのか…。

「イルルの無事は保証できないがオレ次第で、ぽこさんとナタさんは守れる。」

一番、聞きたくない言葉だった。
でも、受け入れなきゃいけない現実だった。