「山の中に入るのは危険すぎると思うんだけど。」

「ナターシャ様がおっしゃることはもっともです。出るなら、せめて替え玉を出してください。」

「でも、山に入るリスクを減らすためには仕方ないでしょう?」

押し問答になっている。

「そうだ、勇者。」

うわ、スティール大尉は俺を使うつもりか。

「勇者を旗頭にするつもりですか?」

リーヴェがスティール大尉を追及する。

「勿論護衛はつけますよ。」

雲行きが怪しくなってきたな。

「そもそも勇者を作戦に参加させるのは嫌だったんじゃ…?」

「士官学校にいたぽこぽんでしょう?射撃の成績はトップクラスだ。」

ジョーンズ大佐だ…。
射撃の成績がそんなに良かった覚えは…
あるんだけども。

「最初だけ出てもらってすぐ引っ込んでもらいましょう。」

うわー、無茶言うなぁ…。

「と、言うわけでよろしくぽこさん。」

あれ、立ち聞きしてるのばれてる?

「頭丸出しでバレないと思ってるほうがおかしかろう。」

ナターシャさんの鋭い指摘。

俺は堂々と会議室に入った。