「この町は道が複雑じゃない。オレとはぐれても、イルルなら宿屋に帰りつけるんだ。」

イルルはどこに行ったんだろう?

「イルルさんも子供じゃないんだし、一晩待ってみたらいかがですか?」

レグナくんが冷静にそう言う。

「元々勝手なヤツではあるんだが。」

レグナくんは窓を開けてベランダに出た。

「レグナくん?」

「言ったでしょう?馴れ合うのはごめんです。では、良い夜を。」

レグナくんは翼を使って
ぱたぱたと飛んでいってしまった。

「リーヴェ、元々イルルは勝手なところがあるから、今日はもう寝たら?」

リーヴェは納得がいかない顔をしつつも
布団に潜り込んだ。

イルルが帰ってきたら
…さすがに今回ばかりは怒るしかないか。

俺も寝ることにした。