丸一日
飛行車をかっ飛ばしてハルシオンの町に到着した。

「教科書のうえでは、ここは20年前まで独立国家だったらしい。」

リーヴェが解説する。

「駐車場はどこだ…?」

リーヴェが速度を落として
ハルシオンの町の周りを
うろうろし始める。

「町の入り口あたりだったかのぅ。」

意外なことに
ナターシャさんから答えが返ってきた。

数分後
ナターシャさんの言葉どおりに
駐車場があり
リーヴェは飛行車を停める。

「とりあえず宿屋行こうぜ。ベッドが恋しい。」

運転しっぱなしのリーヴェには
当然負担がかかっているが
俺たちも車中で眠ったため
体がバキバキいっている。

身体中が痛い…。

ぞろぞろと飛行車を降りて
町の中に向かう。

珍しく町の入り口に衛兵が2人いた。
制服を見ると
どうやら正規軍ではなさそうだ。

衛兵の1人が驚いた顔で俺たちを見ている。

さすがにハルシオンの町にまで
俺の顔が知られているとは思えないが。

衛兵は俺たちにおそるおそる近づいてきた。

なんなんだ?