「正規軍の人たちを連行してきますね。」

レグナくんが勝手に
2階から飛んでいった。

「イルルとレグナくんは今後も面倒くさそうだのぅ。」

イルルは部屋の隅っこでいじけていた。

近寄ってみると
寂しそうに刀がちゃりんと音をたてる。

なんか声をかけにくいな…。

ナターシャさんはぐったりしてるしどうしよう。
構わないほうがいいかな…。

ナターシャさんは
いつも頭を撫でているので
俺も撫でてみるか。

手を出す。



がぶっ!



噛みつかれた。

痛い…。



がじがじ…

痛い痛い痛いッ!



さすがに気付いたナターシャさん。

「こら!イルル!」

イルルを叱った。

「汚いからペッしなさい!」

そっちが理由?!
噛んだことは怒らないんだ…。

「お腹減ってたの?」

ナターシャさんが頭を撫で始めると
イルルが噛みつくのをやめた。

俺が撫でるのがイヤだってか。

微妙にしょっく。



「イルルはごめんなさいできたから、レグナくんよりも大人だのぅ。」

ナターシャさんが
イルルを撫でながらそう言うと
イルルの機嫌がよくなった。

俺噛まれ損なんじゃ…。

俺がいじけそうだ。