「ただの脳筋よりは腹黒いほうがマシですよ?」

天使くんがイルルに嫌味を言う。

「って言われてるぞぽこぽん!」

おい、イルル…
オマエ、ガチで俺が脳筋だと思ってる?
だとしたらソフトにショックだ。
間違いなくイルルのことだぞ…。

「やれやれ、お子さまは自分のことを言われてもわからないようですね。」

天使くんそれ以上イルルを刺激するのヤメテー!

「えっ?ここにいるのみんな30歳付近だけどお子さまってどこ?お前のこと?」

イルルにそう返され、天使くんのほうが固まる。

「あなたは?」

天使くんが恐い顔でイルルに詰め寄る。

「イルル・シュバルツバウム!29さい!」

「えっ?」

天使くんがイルルの顔をまじまじと見つめる。

「なんという非常識な童顔でしょうか…。」

「俺の顔よりも天使の存在のほうが非常識じゃん。」

イルルもなかなか言い返せるようになったなぁ、
とか感心してる場合じゃないか。
眺めてるのもおもしろいけど
不毛な口喧嘩なんて
そろそろ終わらせたい。

いつ、イルルの手が出るかわからないし。

「本当につれていくのか?」

リーヴェがぽそぽそと
俺に囁きかける。

「イルルとの相性最悪すぎねぇか。」

うん俺もそう思ってる。

「悪いけどうちの飛行車は4人乗りでだな…。」

リーヴェがささやかな抵抗を示す。

「すみません、ぼくもあなたがたなんて認めたくないですが、命令なので、飛んでついていきます。」

確かに天使には羽があるしな…。
もう
ボロクソのクソミソに言われているのは
気にしないことにした。