勇者34歳

さすがにスルーできなくなって
イルルが眠っていたソファーの近くに行くと
予想通り魔族がのびていた。

「あ、ぽこぽん。コイツどうやって脱獄してきたんだ?」

イルルが普通に聞いてくるが
そんなもん俺が知りたい。

「大半の魔族は魔法が使えるからねぇ。」

さっき魔族をぶん投げたのと
同一人物とは思えないほど
のんびりした声で
ナターシャさんが答えた。

「意外と簡単にのびるんだな…。」

「魔族の身体は純粋な人間よりは脆いからのぅ。」

それならなんで今までの勇者は
遅れをとってしまったんだろう。

「魔族について色々と聞きたそうじゃの。」

疑問が表情に出たんだろう。
ナターシャさんに見透かされた。

「それは後日解説するからコレをどうするか決めたほうがよくないかね?」

ナターシャさんの言うとおりだ。
「聞きたいことを全部吐かせて処分するべきだ。」

睡眠を妨害されたイルルは
怒っている…どころか
かなり物騒だ。

三度の飯より睡眠のほうが
大事なヤツだから
怒りは計り知れない。

気絶した魔族を
イルルがげしげしと蹴る。

「もっと激しく蹴って…。」

魔族がもにょもにょと
そんな言葉を言ったので
イルルは気持ち悪くなったらしく
蹴るのをやめた。