「ねぇねぇイルルちゃん、ママ疲れたんだけど。」

「知らん。まだ30分も歩いとらんわ。」

「ねぇねぇイルルちゃん、ママ足が痛いんだけど。」

「知らん。回復魔法でも使え。」

イルルとツキヨさんの
じゃれているのか
喧嘩しているのか
判断に困る会話が聞こえてくる。

俺としては唯一の回復魔法の使い手を
無闇に消耗させたくないのだが

ツキヨさんのペースに合わせて休むと
今夜中に次の町へ到着できない。

イルルの対応は間違ってない。

もうちょっと優しく言ってもいいだろうし
もうちょっと母ちゃん労ってやれよ、とは思うけど。



大きな町があるせいか、魔物の姿は見なかった。

次の町で飛行車を借りることができれば
リーヴェが運転できるので
移動がとても楽になる…との見込みだ。