「ワシとしてはまた縛ってほしいというか、そっちがワシに縛られてくれても構わんけど。」

「ドMはドMに徹しろよ。」

リーヴェがニヤニヤしながら言った。

「用件としては縛られたいのか?」

「いえーす!」

変なテンションだな。

「妙なのに好かれとるのぅ。」

ナターシャさんが遠い目で
俺とイルルとリーヴェを見ている。
違う、俺は違うから。普通だから。

「ただで縛るわけにはいかないなぁ。」

リーヴェはそう言うけど
むしろ縛らない方がいいと思うんだが
いかがだろうか?

「ぽこさん、オレたちは旅立ったばかりであまりにも無知だ。ここらで情報を仕入れたほうがいい。」

リーヴェが俺の耳元でささやく。

リーヴェが言うことは一理ある。
つい最近まで一般人をやっていた俺たちは
魔界の情報なんて把握していない。

「魔界の情報と交換だ。」

さすがに魔族は
情報を出し渋ると思ったが。

「ええで。」

そんなあっさり!?
思わず、うさんくさいモノを見る眼差しで見ちゃうよ。

「なんや、信用してへん顔やな。」

してませんとも。

「そこの3人みたいに忠誠を捧げる相手もおらへんし。」

えっ?!

「魔王に忠誠を誓わなくていいのか?」

今のは思わず確認とっちゃうレベルの発言だぞ。

「なんで魔族が忠誠なんか誓わなきゃいかんねん。」

「そもそも忠誠を誓わない系か。」

「おう。そこのもやしっ子魔法使いは察しがええな。」

魔族の思考回路がよくわからないな。
そこも問い詰めてみるか。