勇者34歳

「俺の虜囚となれ!光の檻!」

リーヴェの声が聞こえた。

魔族の足元から光る鳥籠が出てきて
魔族を捉える。

「色々オプションつけてたら遅くなった。」

リーヴェの魔法が発動し、
魔族を捕まえたので
イルルが構えを解く。

偽勇者パーティを見ると

リーヴェの光の鳥籠に捕まっていた。

戦士と天使は観念したかのように
武器を手放す。

「偽勇者パーティってのはお前らか?」

リーヴェが3人に聞いた。

「偽じゃないよ。」

魔法使いが言う。

「ぽこさん、バンダナとって。」

リーヴェに言われたので
バンダナをはずした。

「!…勇者の印。」

天使が上から俺のオデコを見て
そう言った。

天使は空中で捕まってるけど
しかも鳥籠落ちてこないけど
どうなってるんだろ、アレ。
とりあえずそのへんの仕組みは
今は放置だな。

思っていたとおり偽勇者という奴らは
悪いヤツじゃなさそうに見えた。

捕えたことに罪悪感は残るが
理由は聞かないとな。

「ぽこぽんだ。デコ見てもらったらわかるだろうけど、勇者だ。」

3人の表情がだんだん複雑になっていく。

「悪いけど、君らには見覚えがないし、むしろ初対面なうってしか言えない。」

3人は沈黙している。
応答が無いのでなんとなく話しづらい。

「悪いことをしているようには見えなかったしそんな話は聞かなかった。何故こんなことをしている?」

しばらく重い沈黙が続いた。

空気が読めないイルルもおとなしかったし
捕まえた魔族も静かだった。