勇者34歳

狙ったとおり、弾丸は魔族の脚に埋まった。

魔族が俺のほうを向く。

「ちょーっと痛いやんけ。」

まだ立ってられるのかよ…。

「あ、勇者。」

戦士と魔法使いと天使が固まった。

「勇者が銃使うなんて反則やろぉ〜?やっぱ剣やろぉ〜?」

知るかそんなもん。
俺はただの錬金術師だったわけだし。

「なんか言えや勇者!」

「え〜、本日はお日柄もよく…。」

「ふざけとんのか!」

「なんか言えって言ったのはオマエじゃん。」

話しながらも次弾装填。
ここまでは手が覚えてる。