勇者34歳

「アホ言うな!縛るのも縛られんのも大好きや!」

うっわ残念なこと言ったよ…。

「オマエの趣味はわかんねーな。」

イルルは呆れた様子だが
正眼の構えを解かない。

言葉遊びはイルルに任せて
俺は魔族を狙う。

生け捕りにできれば
魔界の情報を聞き出すこともできるかもしれない。

なら、狙うのは脚。

1度撃てば俺の居場所が知られるから外せない。

ナターシャさんは
また魔法の詠唱を始めている。

魔族の注意が
イルルやナターシャさんに向いているのを
目で確認して
俺はトリガーを引いた。