宿屋で1番広い4人用の部屋で
知恵を出しながら
あーでもない、こーでもない、
と作戦会議が続けられる。

「ぽこさんのオデコのアザは隠した方がいいんじゃねぇかな。」

…真の勇者たる証だから
偽物を探す時には
見えちゃいけないモノだと思うので
隠すのは全く構わない。

「俺帽子あるぞ。」

そう言って、
イルルが家紋と桜の刺繍が入った帽子を投げた。

見事に俺の頭の上に落下したが
しかし…。

「この帽子、入らなくね?」

風でとんだりしては
アザが見えてしまう。
それでは困るのだ。

「じゃあこれは?」

イルルは綿でできたバンダナを俺に投げた。
受け取って巻いてみる。

「派手だけど、悪くはないか。」

バンダナの柄は
緋色を下地として
白いバラがプリントされていた。

なんとなく嫌だが
一度装備して
アザが隠れることを確認した。