「イルルちゃんも行くの?」

イルルのお袋さんが出てきた。

61歳現在無職。

教会横の病院でバイトしているらしい。

「心配だわ。ママもついていこうかしら。」

イルルのご両親の仲は
南極が生温く感じるくらい冷えきっている。

あんたも旦那を置いて脱走したいだけじゃないのか。

とか思いつつ曖昧な笑顔で誤魔化す俺。
大人の対応である。

それに回復魔法が使えるイルルのお袋さんは
誰よりも役に立つ…かもしれない。