「ぽこさん、イルルはつれていってもだいじょぶじゃね?」

リーヴェがそんなことを言い出した。
なんぞ?

「詳しい容姿まで、こんなに辺鄙な場所に伝わってるとは思えない。」

しかし、
せっかく連れてきたイルルは
非常に眠そうだ。

「先に宿の確保かねぇ。」

ナターシャさんが
イルルの頭を撫でている!

「ナターシャさん、それは逆効果」

「だからやってるわけですよ。今回くらいおとなしくしてもらわないと。」

「…。」

イルルは眠そうだ。

「この町に宿はひとつしかないから先にイルルをつれていったほうがいいな。」


リーヴェはそう言ってさくさくと歩き始める。

妙に土地勘があるな…。

「住んでたし宿くらいなんとでも。」

リーヴェについては詳しく知らないが
眠ったイルルが大荷物なのは間違いないし
おとなしくついていくか…。