面と向かって
生きて帰ってこいって言われたのは
初めてかもしれない。

「嬉しそうじゃのぅ?」

ナターシャさんに見破られた。

これくらいで
照れたり恥ずかしがったりする年齢はとっくに越えてる。

「そっすね。」

「素直でからかいがいがないのぅ。」

リーヴェが運転席に乗って
さっさと乗れと合図をしている。

ナターシャさんと俺は後部座席に乗った。

「俺ナタと一緒がいい〜!」

膨れるイルルに呆れていると

「いたぞ!ここで会ったが100年目!シュバルツバウム家のクソガキめ!」

正規軍の兵士が爆走してくる。
速い。

「うわやっべ!」

さっきまで膨れていたとは思えない切り替えの早さで
助手席に乗り込むイルル。

「リーヴェはよ!」

同感だ。関わってられない。

「おう。」

ニヤニヤした表情は変わらないが
飛行車はものすごい勢いで走り始めた。