しかし先程より穏やかな声で
ナターシャさんが続ける。

「君の判断がボク達を活かすか殺すか決めるんだよ。」

うわ。責任重いんだけど。

「その責任を背負えないなら仲間なんて連れていくべきじゃないよ。」

俺が生きて旅するためには
イルルの戦闘力は不可欠で
ナターシャさんの治癒魔法も不可欠なんですけど。
リーヴェは…まぁなんか役に立つと思う。

「仲間の戦闘力を踏まえて行動し、無理はしない。」

…はい。

「もう何度も失敗してるから、色んな人達が絶望している。失敗は許さないし、許されない。」

…うん。

ここまで鋭い指摘を受けるのも初めてだった。

ナターシャさんは余程のきれものか。
前々から勇者に対して思うところがあったのか。

ひとつ言えることは

「ナターシャさんはイルルと違って落ち着いてるな…。見かけどおりの年齢じゃなさそうだ。」

「31だけど。」

ナターシャさんの声が聞こえたと思った直後

俺はまた天井を見ていた。
背中が痛い。

「レディの年齢に触れない!」

くわっ!

と怒られた。

サーセン。