嘘吐きなその唇で




腕の力が緩み、思わずテディ・ベアを落としそうになった。



恥ずかしさで、顔に熱が集中する。



どう反応すれば良いのか分からない私は狼狽している、と。



「灑良。その表情のまま、一緒にプリ撮ろうぜ?」



『申し訳ございません。私と一緒に写真を撮りたければ、事務所を通して下さい』



「残念。一筋縄では行かないか」



ちぇっと舌打ちをし、「平生に戻るの早すぎるんだよ」と不満をこぼす雅哉。



私、プリを撮る時くらい、普通に写りたいです。



そして、可愛く補正してもらいたいです。