「アームが弱い時、滑りやすい下の台に当たると外側に広がるんだ。それを利用して、押し出す」
『……雅哉。あんた、本当に天才だよ』
そんな技、考えたこともなかった。
見事な技に感心していると、きっちり500円分で大きなテディ・ベアを取ってくれた。
私は明朗快活な笑顔で雅哉にお礼を言い、大事に両腕でそれを抱きかかえる。
うーん、抱き心地も触り心地もいい!
あまりの気持ち良さにテディ・ベアの頬に自分の頬を寄せると、雅哉は柔和な表情で私を見つめ、さらりと言った。
「お前、可愛いな」
『な――っ!』
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