嘘吐きなその唇で




「あー、希望が見えねぇー」とやる気ゼロの雅哉は、とんでもないことを仕出かした。



『は……?』



テディ・ベアの頭部に、アームの内側ではなく外側がかする。



つまり、何もない所にアームを下ろしたので、このままだと空を切って200円を無駄にして終わる。



『……が、雅哉くーん?』



本当に希望が見えないことをやってくれた、と。



『え?』



アームが空を切る瞬間、テディ・ベアの頭部が動き、台からはみ出た。



な、何で!?



食い入るようにアームを凝視していると、雅哉は得意げに説明してくれた。