嘘吐きなその唇で




私はウフフフッと不敵な笑みを浮かべ、振り向く。



『ねぇ、雅哉』



「何だ、その笑みは」



『これ、取って?』



人差し指でガラスケースを突く。



すると、雅哉の表情が曇った。



「また、テディ・ベア?今度は大きいぬいぐるみかよ」



雅哉は眉根を寄せて、アームに目を向ける、と。



「お前、馬鹿?」



『……』