嘘吐きなその唇で




私の顔を覗き込み、無垢な笑顔を見せる雅哉。



うん、このテディ・ベア大事にしよう。



『てか、雅哉さぁー。勉強出来ないけど、クレーンゲームに長(た)けているっていう取り得があって良かったね』



「なぁ、それって褒めてんの?それとも、けなしてんの?」



『んー?どっちも』



「オイ、コラ」



『キャー、怖い怖い』



私は大きいぬいぐるみが数個入っている定番のクレーンゲームへ、小走りで駆け寄る。



「あっ、逃げるな!」



逃げてねぇし。



雅哉を誘導しているって気付け、馬鹿。