嘘吐きなその唇で




不快のあまり、言葉使いが悪くなってしまいました。



だって、あなたに話したいことなんて、一つもないですから。



そして、残りの焼きそばパンを口の中に押し込むと、彼は目を細めた。



あー、あれは怒っているな。



それでも、綽然(しゃくぜん)な態度をとっている、と。



「灑良さん、口が悪いですよ?」



『どうも失礼致しました。どうか、土に、おかえり、下さい』



敬語かつ丁寧に区切ってもう一度言えば、雅哉は愉快そうに笑った。



「灑良のそういうところが好きだわ」



『私は雅哉の素直なところが好きだわ』