嘘吐きなその唇で




「灑良さんが不登校になったら、“先生”悲しいなぁー」



聞き覚えのある声。



彼だと確信した私は、嫌々後ろを振り返り見上げる。



そこには、意味深長な微笑を浮かべる彼が立っていて……。



いや、ほんと何しにここに来た。



購買で昼飯買ったんなら、さっさと職員室に帰れ。



そう彼に眼をつける、と。



「俺のお気に入りの灑良さん」



『っ、』



唐突に私の頬を摘んで伸ばす彼。